世界を飛び回るトップバイヤーの「2個だけ」の私物バッグ

年間100日以上を海外の出張先で過ごし、何千もの最新バッグを買い付ける私が、プライベートで日常的に使っているバッグは、実はたったの2個しかありません。数多くのトレンドを見すぎて、最終的に行き着いたのは「究極の機能美」と「ブランドの主張がないこと」でした。

私が愛用している1つ目は、ザ・ロウ(The Row)の「Margaux(マルゴー)」です。ロゴは内側に小さく刻印されているだけで、外側からはどこのブランドか一切分かりません。しかし、上質なレザーの質感と、計算し尽くされた美しいシルエットだけで、圧倒的な存在感を放ちます。このバッグの素晴らしい点は、13インチのPCや書類、旅先での購入品がすべて収まる圧倒的な収納力がありながら、フォーマルなディナーに持って行っても全く違和感がないという「二面性」にあります。

そして2つ目は、ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)の古いヴィンテージのクラッチバッグです。イントレチャート(編み込み)の技術だけでブランドを表現するこのバッグは、ジーンズにTシャツというカジュアルな装いを一瞬でエレガントに格上げしてくれます。

多くの人が「バイヤーなら毎シーズン、最新のITバッグを持ち歩いているのだろう」と考えます。しかし、本当のプロほど、私生活ではトレンドから距離を置きます。なぜなら、トレンドは「消費されるもの」であり、自分のアイデンティティを預けるべきものではないと知っているからです。

私のクローゼットにあるのは、流行遅れになる心配が一切ない、普遍的なデザインのものだけです。「何を買うか」ではなく、「何をあえて買わないか」。モノが溢れるこの時代において、自分の基準で厳選された数少ない上質なモノだけに囲まれて暮らすことこそが、最も贅沢なミニマリズムの形なのだと確信しています。

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